研究課題
基盤研究(C)
ペアリングは相互作用する量子多体系において普遍的に現れる創発現象である。原子核中では中性子対あるいは陽子対といった同種粒子がスピン一重項に組むペアリングが長らく研究されてきた。一方,核力の性質から中性子星内部では中性子対がスピン三重項に組むペアリングの可能性が議論されている。しかし,そのペアリング強度の密度依存性は未解明のままである。実験的にアクセスできる原子核の測定を通してその依存性を明らかにしたい。そこで,有限系から無限系まで統一的に取り扱える密度汎関数理論に基づき原子核中でのスピン三重項ペアリングを記述し,実験と比較することでエネルギー密度汎関数に制限をかける。