研究課題
基盤研究(C)
地球の月の起源については「巨大衝突仮説」が定説となっており、数値計算による検証も数多く行われてきた。ところが、物理的制約を満たすような巨大衝突に対する数値計算結果は、月の岩石の化学的制約と大きく矛盾しており、月形成の物理・化学進化過程を統一的に説明できていない。本研究では、気液平衡二層構造を仮定した原始月円盤に対して、各種物理・化学過程を組み込んだ大規模かつ長時間のN体計算を行うことで、原始月円盤内での物理・化学進化過程を明らかにする。これにより、月形成に関する問題が解決される可能性を定量的に検証し、巨大天体衝突による月形成シナリオを物理的かつ化学的に矛盾なく完成させることを目指す。