研究課題
基盤研究(C)
本研究は、原始太陽系星雲において形成されたコンドリュールの凝固組織を、数値シミュレーションによって理論的に再現することを目的とする。従来、コンドリュール形成条件は地上実験や隕石観察に基づいて推定されていたが、重力や接触による影響を受けるため、宇宙空間の環境を忠実に模擬しているとは限らなかった。申請者は、合金凝固に用いられるフェーズフィールド(PF)法を多成分珪酸塩系に応用し、重力のない理想条件下でメルトからの鉱物結晶成長を再現する。さらに、東北大学・中村智樹氏の液滴浮遊実験と連携し、実験と理論の比較検証を行うことで、コンドリュール形成の「理論的制約条件」の構築を目指す。