研究課題
基盤研究(C)
小天体探査機による表面観測や物質採取を経て、小天体表層構造の理解が進んできた。より内部の構造に迫るためには、小天体の不規則形状・非一様回転・微小重力を扱う必要があり、従来の月惑星測地学からの手法発展を要する。その有力策が、限られた画像から高精度な形状復元が可能なStereophotoclinometry (SPC)である。SPCでは副次的に撮像位置も決まるので、探査機の軌道運動から小天体の力学パラメータ (回転・重力場) も推定しうる。本研究では、観測条件とSPC性能との関係を明らかにし、小天体の形状と力学パラメータを高精度に推定することを目指す。また、これらのSPC解析を、2027年に火星衛星フォボスを探査するMMXに適用する。