研究課題
基盤研究(C)
完全な共有結合結晶材料であるはずのシリコンが、なぜ常温で疲労破壊するのか?シリコンの疲労過程における結晶欠陥の様子はFCC金属材料に類似し、すべり系のせん断応力に加えて、すべり面に作用する圧縮応力と環境因子としての水素とが、欠陥の形成と移動の活性化エネルギを大きく低下させている可能性が浮かび上がる。本研究では、特殊な結晶方位を有する革新的疲労試験デバイスを開発し、3因子が欠陥形成に及ぼす効果を独立に評価する。さらに環境制御型透過電子顕微鏡を用いて、圧縮せん断応力場および水素との相乗効果による欠陥構造の形成過程をその場解析し、シリコンの結晶すべりと疲労過程の本質の解明に新たな道筋を確立する。