研究課題
基盤研究(C)
本研究は、西洋が熱帯の地域性を意識してつくった建築を「熱帯型建築」として、その系譜を明らかにし、熱帯気候下での建築的対応の実態を描き出そうとするものである。植民地期から空調設備が前提となる1970年代頃までの熱帯アジアの建築を対象とする。アジア各国では熱帯気候対応の建築が造られたが、それらはいまだ包括的に論じられたことはない。ここでは熱帯型建築について、西洋人の入植のための実用的建築/現地建築を参考に環境適応した建築/環境工学による科学的設計、の3段階を設定することで、その系譜を描き出す。また、植民地政策、環境工学史、建築技術といった複合的視点からその背景を分析する。