研究課題
基盤研究(C)
正20面体準結晶の構造は6次元結晶の3次元断面として理解できる。その枠組みにおいてフェイゾンと呼ばれる余分な空間自由度が存在し,このフェイゾン自由度をパラメータとした新物質開発が期待される。フェイゾン自由度を理解し制御するためには,フェイゾン起因の諸現象を解明することが求められるが,準結晶構造の複雑さ故に原子的描像の理解が不足している。本研究では,準結晶にフェイゾン空間の変形を加えたとみなされる近似結晶に着目し,“近似結晶中フェイゾン欠陥”を透過型電子顕微鏡直接観察により原子レベルで明らかにすることによって,準結晶のフェイゾンの原子的描像構築につながる知見を得る。