研究課題
基盤研究(C)
現在、広く利用されているKS-DFT法の重要な特徴は、電子の運動エネルギーTを電子密度nではなく、系を構成する個々の電子の波動関数によって記述することにある。これにより計算精度は向上するが、波動関数の間の直交性を課す為に、計算コストは増大する。結果として、全体としての計算コストは電子数N に対して急激に増大する。このサイズ依存性がKS-DFT 法の実在系への応用の障害となっている。電子の運動エネルギーT に対する有効な汎関数T [n] の開発は、物性物理や理論化学における悲願である。本研究は、新規な密度汎関数理論に基づいて運動エネルギー汎関数Tを開発し、その分子系への応用を目指すものである。