研究課題
基盤研究(C)
1900年にGombergによって発見されたトリフェニルメチル (トリチル) ラジカルは、速やかな二量化により失活する不安定化学種である。これまでに、フェニル基オルト位への置換基導入によって安定なトリチルラジカル誘導体が合成されているが、ラジカル中心が立体的に覆われているため、ラジカル中心との分子間相互作用を活用する機能性材料への応用は困難であった。本研究では、メタ位への置換基導入を足掛かりとする「Shell型遠隔立体保護」によってトリチルラジカル母骨格の構造を維持したまま速度論的安定化を図り、パラ位の置換基効果により様々な電子的摂動の付与が可能なトリチルラジカル誘導体を開発する。