研究課題
基盤研究(C)
水素社会を実現する上で大きな課題となるのが水素の生成と貯蔵である。この問題を解決するために、これまで用いられてきた貴金属系材料に代わり、卑金属で安価な銅錯体を用いて検討しようとするのが今回の申請課題の趣旨である。多座ホスフィン配位子により構造規制された銅ヒドリド錯体を触媒とする二酸化炭素の還元反応によるギ酸の生成(水素貯蔵)とギ酸の分解(水素生成)の反応開発である。安価な銅を複数用いることで貴金属材料と同等な機能を持つ材料が開発できれば経済的であるばかりでなく、個々の元素に依存して展開されてきた材料開発を金属イオンや配位子の選択で構成される分子化学に変換する点で学術的にも重要な意味を持つ。