研究課題
基盤研究(C)
重合反応系の安定化と長寿命化は,精密構造のポリマーを合成し所望の機能を得るための重要な要素のひとつである。例えば,表面開始精密ラジカル重合法を用いた高分子薄膜(ポリマーブラシ)の合成では,系中の酸素が活性種,触媒,還元剤を失活させ溶液の性質を激変させるため,均質性,膜厚,分散度の低下とそれらに起因する表面機能(難付着性など)のばらつきや低下・喪失を引き起こす。そこで本研究では,水素結合形成により多様な原料から作製可能な液体である「深共晶溶媒」を精密ラジカル重合法に取り入れ,その化学的安定性とシールド効果を活用することで,耐酸素性を高めた実用ポリマーブラシ合成法の確立に取り組む。