研究課題
基盤研究(C)
申請者は、放線菌が生産する抗生物質の一部が触媒作用を有し、チオール化合物を酸化し過酸化水素を生成すると発見した。本研究では、それら化合物の抗菌性がその触媒作用によることを実証する。予備知見から、抗菌性の要因としてチオール化合物およびそれらを含む高分子の酸化による失活と、過酸化水素による酸化障害の2つが予想された。そこで、生体中で実際に酸化を受ける基質の同定、酸化障害に対する防御機構と耐性化の相関の検証、類似の触媒活性を示す新しい抗生物質の探索と同定を行う。抗生物質の新規作用メカニズムと普遍性を明らかにすることで、新たな抗生物質の利用法や二次代謝産物の機能に関する概念の拡張が期待される。