研究課題
基盤研究(C)
従来、バクテリアや真核生物における翻訳開始は開始コドンと開始tRNAの間で形成される3塩基対合に依存しているとされてきた。しかし、バクテリア開始tRNAに特徴的な塩基の役割を追求した結果、新たに4塩基対合開始メカニズムを発見した。このメカニズムは特定のmRNAを選択的に翻訳する際に重要な役割を果たし、ストレス応答やプロテオスタシス維持における遺伝子発現の調整に関与することが示唆される。本研究では、構造生物学と生化学の両面から、この4塩基対合メカニズムを実証し、その機能を解明することによって、バクテリア細胞の適応戦略を理解し、翻訳研究分野における新たな潮流を形成することを目指す。