研究課題
基盤研究(C)
筆者はこれまでに、白葉枯病菌の最も重要な病原力機構であるtype Ⅲタンパク質分泌装置の構築に関わる遺伝子が、植物細胞壁の主要成分であるセルロースの分解に関わると予想される遺伝子と同一の制御因子により、同調的な発現制御を受けるとの新知見を得ている。本知見から、セルロース分解酵素は、道管内でのみ生息・増殖する本細菌のtype Ⅲタンパク質分泌装置が効率よく道管壁と細胞壁を貫通し、イネ細胞質に到達すること、そしてそれを介して宿主の防御応答の抑制と感受性増大に関わるタンパク質の効率的な分泌を可能にするとの仮説をたてた。本研究では、本仮説の検証、およびこれらの遺伝子の同調的な発現制御機構の詳細を明らかにする。