昆虫の長期保存方法は、これまで超低温保存方法が検討されている。超低温保存には液体窒素が不可欠であるが、管理や取扱いには注意を要する。乾燥保存は超低温保存に代わり得る可能性を秘めている。本研究では、画期的な長期保存方法の開発を目指してカイコ生殖巣の乾燥保存の可能性を検討する。乾燥処理により組織にどのような障害が起こるかの把握を行う。一方で、自然界には乾眠を行う生物が存在し、その体内ではトレハロースが高濃度に蓄積していることが知られている。乾眠のメカニズムが参考に、組織内部にトレハロースおよび糖アルコール類を蓄積させる方法を検討し、乾燥処理後の組織への障害が軽減される方法の開発を目指す。
|