研究課題
基盤研究(C)
水田土壌は湛水によって高い炭素貯留能を有する一方で、近年の乾田化、転作は微生物を活性化し、有機物の減耗を加速するとされてきたが(プライミング効果)、そのリスクは未検証である。申請者は難分解性の有機物投入でプライミング効果が抑制できること、炭素安定同位体比の異なる水稲・雑穀によって湛水・畑作条件の炭素貯留能の比較が可能になることを新たに確認した。本研究では「分解抵抗性の高い雑穀残渣の投入によって転作後の有機物分解を抑制できる」と仮説を立て、イネ・雑穀由来の有機物減耗を起源別に追跡することで、プライミング効果を抑制し、炭素貯留機能を最大化する栽培条件を解明する。