研究課題
基盤研究(C)
タンパク質分子中の低障壁水素結合(Low Barrier Hydrogen Bond, LBHB)は、酵素反応過程等での重要性や結合内プロトントンネリングによる水素原子非局在化の観点からも着目されている。近年、申請者らも含め実験的な観察報告がなされているが、理論、量子化学計算での裏付けが未だ十分でなく報告を疑問視する主張もある。申請者は核の量子効果の一つである重水素の同位体効果を利用し、未置換体(軽水素)やより高い温度環境下での測定も重層的に組み合わせ、LBHBの本質を示すポテンシャルエネルギー曲線形状の対称性や低障壁の存在を可視化し、LBHBのエネルギー的側面を含めた構造詳細を明らかにする。