研究課題
基盤研究(C)
「外傷性授精」とは、雄の鋭い交尾器を雌の体に突き刺して、体腔内に直接精子を送り込む交尾様式である。トコジラミ上科の雌の腹部には外傷性授精への対抗構造として「副生殖器」という独特の器官が存在するが、これは他の生物には全く見られない新奇形質であり、獲得に至る形態の進化についてほとんど情報が無い。副生殖器の獲得機構を、近年急速に普及している高度な形態観察技術と、厳密な系統種間比較によって詳細に検討し、この新奇形質の起源と進化のプロセスを探る。