研究課題
基盤研究(C)
野外生物の形質になぜ地域間で変異が見られるのかは生態学における研究課題の核心をなす学術的な「問い」である。この問いに対し本研究では捕食回避行動である不動行動に注目し、この行動に違いのある野外集団間で選択圧の一因となる捕食者相を調べ、不動行動に地理変異の生じる理由を解明する。野外で観察される「死んだふり行動」が野外の生態と環境要因に具体的にどの程度影響を受けて地域変異を生じさせたのか、つまり生態学的視点からの研究が進んでいないことに気がついた。この気づきが本研究の着想に至った経緯である。本研究では甲虫を材料として不動行動について、フィールド生態学の視点からこの学術的な「問い」に迫る。