研究課題
基盤研究(C)
難治性固形癌の治療課題は、抗がん剤に対する抵抗性と、正常細胞に対する深刻な副作用である。本研究では、内因性の抗腫瘍物質を用いて、既存の薬物が起こす細胞死とは異なる様式の細胞死であるフェロトーシスを誘導することによって、抗がん剤が効きにくい固形癌の薬物治療開発の一助となる知見を得ることを目指す。フェロトーシスは鉄依存性の細胞死であるが、がん細胞は正常細胞に比べて鉄の存在量が多いことが知られている。フェロトーシス誘導剤による細胞毒性については、正常細胞に対してはその影響は少ないと考えられ、アポトーシスを誘導する既存の抗がん剤とは異なる、副作用の少ない薬物治療となりうることが期待される。