研究課題
基盤研究(C)
恐怖や不安は、野生動物の生存や人が健やかな生活するために重要な情動の一つである。例えば、マウスは出会ったことのない天敵であるキツネの匂いを本能的に怖がる。このように、経験や学習に基づかない先天的な恐怖行動が存在することは、この行動を制御する神経回路形成が遺伝子レベルで決定されていることを示している。私たちはこれまで、転移酵素Dpy19L1ノックアウトマウスが生来の恐怖行動を失うこと、さらに恐怖・不安行動に関わる後方中隔核の形成異常を示すことを見出した。そこで、Dpy19L1の機能解析と関連シグナルを解析することで、生来の恐怖行動を制御する神経回路の発生メカニズムを解明することを目指す。