研究課題
基盤研究(C)
神経変性疾患は、神経細胞内に異常なタンパク質凝集体が蓄積し、その結果細胞死を引き起こし、発症する。この一因として、ミトコンドリア機能不全が示唆されている。最近、細胞内で保たれるATPが直接ハイドロトロープとして、異常なタンパク質凝集体の形成を抑制する可能性が示された。我々はこれまでに膵β細胞において、ケミカルライブラリを用いた網羅的解析により、グルコース応答性インスリン分泌促進化合物を複数同定した。解析により、化合物の一つが細胞質内ATPの量を増大させることを明らかにした。この全く新しい生理活性化合物を用いて、神経変性疾患の治療薬への可能性を検討する。