研究課題
基盤研究(C)
典型的な老化形質である白髪や脱毛は、幹細胞の枯渇によって進行する。一方、加齢とともに罹患率の上昇するメラノーマは、色素細胞系譜の異常増殖によって発生する。色素幹細胞の枯渇、あるいは異常増殖が決定される過程には、一連の基本原理の存在が想定されるが、現状不明な点が多い。我々が日々暴露される遺伝毒性物質には様々なタイプのストレスが含まれるが、大きくは変異源とも呼ばれ癌を引き起こしやすいものと、細胞毒性の強いもの(幹細胞枯渇性)に大別できる。これら2つのタイプのストレスが、それぞれ別のシグナル経路を介して最終的な組織の運命(老化か癌化)を決定していることを想定し、その仕組みを明らかにする。