研究課題
基盤研究(C)
東洋眼虫はヒトやイヌ、ネコなどの眼に寄生する人獣共通の寄生虫で、好涙液性のメマトイ類により伝播する。本種の従来の分布地域はアジア圏であるが、近年は、欧州や米国で流行が拡大しており、越境性の病原体でもある。本邦ではこれまでに西日本のヒトやイヌ、ネコの症例が報告されているが、近年、関東以北からの報告が続き、分布地域の拡大が懸念されている。本研究では、東洋眼虫の分布拡大監視体制の構築を目標に、生態学的特徴の解明を行う。野生動物やメマトイ類における感染状況調査と遺伝子解析を通じて、自然界における東洋眼虫の感染サイクルを明らかとし、ヒトや愛玩動物への感染リスクを予測する。