研究課題
基盤研究(C)
本研究では、レトロ転移が生じたS期神経細胞におけるSirt6とBrca1の選択的な発現抑制による合成致死が、L1依存性の神経細胞死を誘導するという仮説の検証と、背後の分子機序の解析を行う。神経変性疾患の大きな謎の一つが、疾患発症初期に特定の神経細胞で選択的に生じる神経細胞死の不均一性である。我々は、L1レトロ転移を生じたS期神経細胞で細胞死への脆弱性が著しく高まることが、不均一な神経細胞死の原因であることを示す複数のデータを得ており、このSirt6とBrca1が同時に機能不全に陥る分子機序の解明と、Sirt6とBrca1の合成致死性による選択的神経細胞死と神経変性病態との相関を解析する。