研究課題
基盤研究(C)
亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis: SSPE)は、脳内増殖力を獲得した変異麻疹ウイルス(SSPEウイルス)が神経細胞を傷害して発症する。麻疹完治後発症まで平均7年の持続感染期は無症状で、持続感染機構は明らかではない。本研究では、ウイルスFタンパク質の変異について網羅的にコンピュータ分析して変異途上のウイルスを組換えウイルスとして再現し、これまでに申請者が発見した『増殖抑制性変異』が持続感染に関わることを立証する。その成果は、麻疹ウイルスからSSPEウイルスへの変異の分子機構の解明へと展開でき、治療法や治療薬開発の可能性につながる。