研究課題
基盤研究(C)
発達期の脳は周囲の環境に応じて神経回路を変化させる能力を持っている。この脳が持つ可塑性はとりわけ幼若期に強く、可塑的変化が強く起こる時期は臨界期と呼ばれる。臨界期の存在は、ヒトの言語機能獲得などでよく知られている。もし臨界期に片方の眼の視覚入力が遮断されると、脳内の神経回路が不適切に形成され、その眼の視力が悪くなる弱視が生じる。臨界期後には神経回路は固定化されているため、成熟後に弱視を治療することは困難である。本研究はアデノ随伴ウイルスを用い、脳内の神経活動を変化させることで可塑性を生み出すことを試みる。これにより臨界期可塑性に必要なメカニズムを明らかにし、弱視の治療に向けて研究を進める。