研究課題
基盤研究(C)
離散系の数学には,問題自身の言明は非常にシンプルでありながら,その解析は困難を極めるタイプの未解決問題が多く残されている.本研究では,計算複雑性理論の視点から,特にこの種の問題の計算論的な難しさの解明に挑む.すなわち,数学の問題自身の難しさを計算理論の立場から解析する「メタ数学」とでも呼ぶべき研究課題である.様々な歴史ある未解決問題への挑戦を通じて,問題そのものへの進展を得ることと同時に,この種の問題を困難たらしめている数理的要因を明らかにすることを目指す.また,NP完全性の帰着の概念に相当するような,見かけ上異なる数学的問題の難しさの関係を議論できる理論の構築を試みる.