鉱物資源の乏しい我が国において資源セキュリティの確保は喫緊の課題であり、使用済み電気電子機器の活用は有用資源を効率的に回収する有効な手段となっている。中でも廃基板スクラップ(e-scrap)は金、銀、パラジウムなど有用金属を含有するためリサイクル資源として世界的に獲得競争が激化している。本研究では、廃電気電子機器スクラップ市場に焦点を当てた計量経済モデルの分析を通して我が国の資源セキュリティがより頑健となる条件を明らかにすることを目的としている。分析では、輸入e-scrapを取り入れた経済モデルの推定をもとに、様々な外的要因の変化がe-scrapの市場取引に与える影響を定量的に明らかにする。
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