研究課題
基盤研究(C)
本研究では民族集団を一枚岩と捉えるのではなく、ひとつの民族集団が内包する複数の「地域」の間の関係性(「民族内地域間関係」と呼ぶ)の視点から捉える。民族によってはその内部が複数の「文化地域」(文化の差異によって区分される地域)に分かれており、そのことが民族内部の協同・一体化の障壁となりうる場合も想定される。「文化地域」間で文化の懸隔が大きい場合、各地域の民族エリートたちはどのような対応・相互交渉を行い、民族内部の協同・一体化を実現させようとしているのであろうか。本研究では現代中国を対象とし、トン族の事例をもとにこの問いに答えることを目指す。