研究課題
基盤研究(C)
本研究では、申請者が開発したICI搭載型ナノホウ素薬剤の更なる改良のために鉄イオン送達能も付与する。これにより、がん細胞へのホウ素薬剤と鉄イオンの共送達を実現し、BNCTにより損傷誘導する細胞に対して、フェロトーシスとよばれる鉄代謝破綻も同時に誘導し、がん抗原とDAMPsの放出量を増大させることができると期待している。その上で①樹状細胞の抗原提示の効率化に基づくCTLの活性化と②ICIを用いたCTLの活性化によるアブスコパル効果誘導法の確立とその転移がん治療への応用を目指す。本システムの開発は従来、困難とされてきた転移がん治療にブレイクスルーをもたらすものと期待している。