研究課題
基盤研究(C)
急激に腎機能が低下する急性腎障害AKIは従来一過性のものであり、予後も良好であると考えられてきた。しかし近年慢性腎臓病CKDへの移行から腎不全に至る腎機能障害事例が非常に多い。一方、再生能力をもつ肝臓や皮膚の創傷治癒においては、神経から分泌される神経成長因子NGFの深い関与が報告されつつある。本研究では、腎組織においてNGFを発現させることによって、組織の再生・再構築を誘導するというAKI新規治療法の開発を目指す。脂質ナノ粒子LNP技術を用いたmRNA製剤を創製し、腎特異的に送達することで予後を改善方向に導く。腎組織再生の基盤を確立することで、最終的に腎不全に至る様々な慢性腎疾患治療への応用も期待できる。