研究課題
若手研究
近現代日本は人間の「悪」とどのように向き合ってきたのか。これは、司法・教育・文学などで問われ続けてきた、私たちの現在および未来の社会構想の基盤となる、根源的な人間観についての問いである。本研究は、近現代日本のそのような「悪」との向き合い方について、監獄における「宗教教誨」と「死刑制度」を中心に、比較思想史の方法から明らかにすることが目的である。近代日本では、刑罰とそれを支えた宗教教誨は、「処罰」と「更生」の二つの原理の間を大きく揺れ動きながら展開してきた。本研究では、こうした近現代日本の「悪」との向き合い方の歴史について、欧米等との比較も試みながら明らかにすることを目指したい。