研究課題
若手研究
本研究の目的は、ロシア思想における「個」(リーチノスチ、人格)概念の起源を究明することである。19世紀から20世紀のロシア思想は、近代以降神学と哲学を峻別してきた西欧思想に対するアンチテーゼとして、キリスト教、とりわけ正教の信仰を自らの思想的源泉としている。この傾向が最も如実に表れているのが「個」をめぐる思想であり、「個」はロシア思想の最も重要かつ不可解な概念である。