研究課題
若手研究
本研究では1920-30年代にヨーロッパに端を発し世界中で受容・実践されたモダニズム写真の伝播を媒介した写真集の一つ、『フォトグラフィ』(Editions Arts et Metiers Graphiques, 1930)の実際の拡散過程・状況を実証的に明らかにし、この写真動向の世界同時多発的な隆盛を可能にしたネットワークを可視化する。また日本とアメリカでのケーススタディから同書がブックデザインの面でも各国で大きな影響を及ぼしたことを明らかにし、従来写真の様式のみについて論じられる傾向が強かったモダニズム写真の展開が、グラフィックアートや印刷出版文化の変化とも連動していたことを示す。