研究課題
若手研究
江戸時代中期の文学者であり、伊勢御師の妻であった、荒木田麗女の文業の目的を解明するため、麗女の著述すべてを対象とした典拠と表現の研究を行う。麗女は膨大な著述を残しているが、なぜ文学に執着したのか、麗女の文業の目的は明らかでない。解明するためには、一つの著述内での考察にとどまらず、著述を横断して全体を見渡し、麗女が描こうとしたものを考察する必要がある。本研究ではまず、麗女の著述全文をデータベース化し、麗女が用いる表現や典拠の特徴を分析する。その際に麗女の蔵書目録、旧蔵書、伊勢御師関連の資料との関係性も検討することで、伊勢御師の妻という特異な立場にあった麗女独自の文業が明らかになると考える。