研究課題
若手研究
本研究は、18世紀中後期に出版された絵本を対象に調査と分析を行い、出版文化の側面から絵本出版流行の実態を解明することを目指す。近世絵本は、絵を主体とした版本全般を指す語であり、近世を通して1000を超える作品が出版され、近世期の視覚文化の基盤形成に大きな影響を与えた。本研究ではこれら絵本の書誌学的調査を行い、その記録をもとに版元を軸とした分析を行う。その成果をもとにデータベースを作成し、絵本研究における基盤を形成する。特に、18世紀中後期において絵本の出版流行地が上方から江戸へと移行した現象に注目し、この地理的な変遷の背景やその影響を、書肆の活動を踏まえて明らかにすることが本研究の主眼である。