研究課題
若手研究
本研究では、南米での帝国日本の移植民事業や戦後海外移住事業を対象として、日系移民が帝国日本の膨張・崩壊や戦後の再編成と、受入国における国民国家の変容をどのように結びつけたかを明らかにする。申請者は、日系移民が送出・受入の両側で開発の主体と位置づけられたことに着目し、移植民事業、開拓や農業生産が日本と南米における帝国や国民国家の変遷を双方向的に接続させたと仮定している。これを実証するため、1910年代から1970年代にかけてのブラジル、パラグアイやアルゼンチンを事例に、移植民事業の実態、戦後移住における帝国の連続性と残滓、そして受入国による移植民事業の流用をトランスナショナルな視点から論じる。