研究課題
若手研究
前近代、特に中世後期の仏教寺院は地域社会において大きな宗教的、政治経済的、文化的役割を果たした。それら地方寺院の活動は、地方に伝来する文書や記録、聖教によって知ることができる。村人、地方領主や商人が寺院を核にしてコミュニティを形成した中世では、地方寺院の史料は社会諸階層との関わりのなかで生成されており、そのあり方には人々の仏教への向き合い方が投影されている。本研究は若狭と加賀を対象に中世地方寺院史料論を構築し、そのうえで地方の寺院史料に見出される社会関係から15-17世紀地域社会における仏教の役割を捉え直す。