研究課題
若手研究
フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(1899-1992)の自生的秩序論は、統治権力を最も説得的に制約できる自由主義理論として高く評価されてきたが、同時に反自由主義的自生的秩序の問題などの重大な困難に直面する。そこで本研究は、ハイエクの理論的淵源であるアダム・スミス(1723-1790)が自生的秩序論の系譜にいながら反自由主義的自生的秩序の問題に取り組んだと解釈できる点に着目し、ハイエクとスミスの比較法哲学――スミス法哲学研究の成果に即してハイエク自生的秩序論を再検討すると同時に、ハイエク法哲学の内在的理解に基づいて伝統的スミス解釈も見直す――の視座から自生的秩序論法哲学の刷新を目指す。