研究課題
若手研究
有効な契約において債務不履行が生じた場合の損害賠償の内容について、わが国では近年、履行利益の賠償と並んで、債権者がすでに投下した費用の回復を求める損害賠償(費用賠償)を認める可能性が指摘されている。しかし、費用賠償については、要件・効果、契約無効事例で従来認められてきた信頼利益の賠償との関係など、未解決の課題も多い。本研究は、これらの問題が未解決となっている根本的な原因は、そもそも費用賠償が認められるべき「根拠」が未解明であることにあるとの認識のもと、ドイツ法を手がかりとしつつ、「法解釈学的観点」と「法政策的観点」の両面から費用賠償の根拠を明らかにすることを目指す。