個人と個人の間には、様々な関係性を観察できる。例えば、友人関係・上司部下関係・知り合いの知り合いなどである。このような様々な関係性の織り重なりが社会を構成している。人々の戦略的・協力的ふるまいを分析するための枠組みとして、ゲーム理論は重要な役割を果たしてきた。しかし、従来のゲーム理論的分析では、関係性の変化の中のワンシーン毎の分析は詳細に行える一方で、関係性の変化全体をひとつのプロセスとして見ることは難しかった。本研究では、分析対象を、ゲーム内部の詳細な分析からプレイヤー間の関係性に移すことで、関係性の変化や安定性自体を数理的に分析することを狙う。
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