新救貧法は、その成立に直接的に経済学者が関わったはじめての経済政策であった。そして、新救貧法の土台となる1834年報告書を執筆した経済学者にN.W. シーニアがいる。シーニアはマルサスやベンサムの影に隠れ、大きく注目されることはなかった。そこで、本研究では、シーニアが救貧法改革を行うにあたり、能動的な労働者像に注目していたことから、貧困階級が労働市場において積極的に働く労働者になるために必要なことは何かを、「教育」、「ワークハウス」、「救貧税」の3つのキーワードに注目して考察することで、救貧法改革における労働市場創出の仕組みとは何かを、シーニアの見解を中心に明らかにすることである。
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