研究課題
若手研究
権威主義体制において、経済成長は政権の正当性を支える重要な政策手段とされ、特に中国ではGDP成長率が地方官僚の昇進評価と直結しているため、統計操作の可能性が指摘されている。本研究は、中国の地方政府によるGDP操作の実態を、政治的誘因と実体経済への影響の両面から実証的に解明することを目的とする。具体的には、夜間光データから推計した実際のGDP成長率と目標値・報告値との比率の分布を分析し、不自然な集中と欠測を通じて操作の存在を検出する。また、官僚の属性と操作の関連性、さらにGDP操作が企業の投資・利益等に与える影響も明らかにすることで、統計操作が実体経済に与える波及効果を評価する。