本研究は、JICA海外協力隊に派遣された理学療法士および作業療法士を対象に、国際協力活動への参加動機、途上国における実践プロセス、そして帰国後のキャリア形成という三つの局面を統合的に分析することを目的とする。参加者の語りやJICAの報告書などの記録資料を用い、複線径路等至性アプローチ(TEA)、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)、テキストマイニングといった手法を用いて、経験の背景にある個人要因と社会構造的要因を明らかにする。そして、派遣前の志願者支援、派遣中の実践支援、帰国後のキャリア支援という多層的な支援体制の構築に資する実践的知見を得ることを目指す。
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