保育者は、クラス集団の中に「居場所がない」と疎外感を感じている幼児を見落とさず、適切な対応を行うことが求められる。そこで代表者は、幼児期後期(4・5歳児)の心理的な居場所を「集団所属感」と定義づけ、実態把握のためのアセスメントツールを開発した。しかしこのツールは、多様な実態の幼児を対象としていない。他児と異なる特徴を持つ幼児こそ、配慮がなければ集団の中で疎外感を感じる可能性が高くなる。そこで本研究では、発達障害児や発達の気になる幼児など、他児と異なる特性を持つ幼児を対象とした新たなアセスメントツールを開発する。すなわち本ツール開発は、インクルーシブ保育実践の質的評価に向けた学術的研究である。
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