研究課題
若手研究
高階層者による低階層者への非難や貧困是正策への反対といったネガティブな態度の表出による分断は深刻化している。教育現場では、努力を放棄しがちな低階層の学習者に「能力は努力によって成長する」という信念である成長マインドセット(以下、成長MS)を持たせ、低階層からの脱却を動機づける介入が推進されている。本研究では、この「成長MS介入」が、逆に予期せぬ形で階層間の心理的分断を生む可能性を検討する。本研究では競争を努力で勝ち抜き高階層に到達した学習者が、その成功体験から成長MSと自己責任論的な思考を強化することで、低階層へのネガティブな態度を強めるという仮説を検証し、分断を緩和する介入の開発を目指す。