研究課題
若手研究
うつ病に対して有効な薬物療法は数多く存在しますが,いかなる抗うつ薬でも改善を示さない「治療抵抗性うつ病」は,全体の33%をも占めています。このような現状に対して,最近では失感情症が難治化要因である可能性が指摘され始めています。そこで本研究では,これまでうつ病の症状として理解されてきた身体感覚の知覚異常が,失感情症に因果的に関与している可能性を検討します。特に先行研究で未解決であった「うつ病患者では身体感覚の知覚が鋭敏/鈍麻どちらの異常も観察される」という重要な矛盾を解決することで,失感情症改善のための新しい臨床心理学的アプローチを検討します。