研究課題
若手研究
量子固体と呼ばれる固体ヘリウムは固体の結晶秩序と超流動性が共存した超固体性を示すと期待され、研究がなされてきた。現在では空孔子凝縮としての狭義の超固体性は否定されているが、転位や結晶粒界中に超流動流が現れるとの示唆がなされており、このような局所超流動流は広義の超固体的振る舞いをもたらすと期待される。本研究では固体ヘリウム中を沈下する物体の運動を精密に測定することで、その塑性変形のダイナミクスを研究する。それにより局所超流動流の存否を明らかにし、それらと量子効果を受けた転位の滑り運動が織り成す量子塑性とも呼ぶべき新奇な塑性変形の物理を明らかにする。