研究課題
若手研究
宇宙には超強磁場を持つ中性子星(マグネター)が存在し、地上では実現困難な物理の実験場となりうる。マグネターのX線偏光の観測から、強磁場下での量子電磁力学の非線形物理過程を理解するための理論モデルを構築する。非線形物理過程の効果を、陽子・電子・陽電子からなる3成分のプラズマの場合に考慮し、解析計算と数値シミュレーションによって、マグネターから放射されるX線のスペクトルと偏光を明らかにする。これにより、従来の2成分のプラズマを仮定した理論を超えた、より現実的なX線放射の理論モデルを構築し、X線偏光衛星IXPEによる観測に備える。